2022年8月18日の早朝8時30分。約30人の竹の会とキーワーカーのメンバーから成るグループは貸切バスに乗ってHamm市に向かって出発した。
このHamm市はケルンの東にあり、アウトバーンと国道を乗り継いで約2時間。かなり交通の不便な辺鄙な場所にある町で、主にお年寄りからなる私たちのグループにとってかなりの遠出である。
どうしてこんなところまで行くことになったのか。経緯を説明する。
今年の春にこのHamm市の市長Henrich氏より私たち宛に手紙が来た。「私たちの町Hammは、農業協同組合銀行の生みの親であるRaiffeisen氏の生まれた町で、活動した時代は違うはものの同じく日本の農業組合運動の発起者である賀川豊彦とは深い関係にある。それ故にHamm市はドイツ在住日本人と交流を深めたい。是非一度当地を訪問し、そこにあるRaiffeisen Museumを見学して欲しい。」との事。
これを受け私たちは、8月18日に貸切バスでHamm市行きの遠足を企画した。まずは参加者の知識を同じレベルにするため、5月6日に事前勉強会を開催し、ライフアイゼンと賀川豊彦の生涯と業績について学んだ。これは皆のモチベーションを大いに高めることになったと思う。
当日、正午前にはHamm市に到着、市長との挨拶、当市の歴史、Raiffeisenに関しての映画など見せてもらった。私たち側からは、デュッセルドルフ市においての日本人の歴史(同行の恵光ハウススタッフ)、キーワーカーと竹の会の説明などを行った。手作りの折り紙の作品を進呈し喜こばれた。その後市庁舎の向かいにあるRaiffeisenの名前がついたレストランでローカルのドイツ料理の昼食をいただいた。その時非常に愉快だったのが、ここのビールがRaiffeisenのブランドであること。このビールをいただいたが、なかなか美味しかった。その他のものにも多く彼の名前がつけられている。その後Raiffeisenミュージアムを案内人付きで見学した。この辺りは昔から辺鄙で、森が多く地形的には恵まれていない場所にあり、昔から農業が主であったが、天候の影響などにより農民は貧しい生活を送っていた。その貧困状況を見るに見かねて、その当時市長であったライフアイゼンは銀行などと掛け合って農夫のため安い金融を可能にした。それがRaiffeisen農業金融銀行の始まりである。
その後近くにあるMarienthal修道院を見学して、コーヒーとケーキなどいただいて、プログラムは終了。ここでも歓迎は続いた。修道院の向かいの森の中から、ホルンのグループの音色が流れてきた。つまりHamm市は私たちを全面的に歓迎してくれたのだ。帰りの道もかなり遠く、夕方かなり遅くに帰宅した。でも非常に楽しい1日であった。これからも私たちとHamm市との交流は続くであろう。市長さん達を近々デュッセルドルフに招待する予定である。
Hamm市はライフアイゼン生誕の町でありいたるところに彼の足跡を見つけることができる。特にライフアイゼン歴史博物館はかれらの誇りである。その歴史の中で日本と接点をもつことから デュッセルドルフを中心に活動する独日交流グループの存在に強い関心を示し今回の訪問が可能となったもの。市は当グループを大歓迎し以下のような形で広報誌に公表した。来春にはHamm市から当地への訪問が期待されている。
(K.K. K.記)


